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コラム 2026.02.19

備前焼の買取相場は?高く売る3つのポイント

備前焼は骨董品買取市場でも人気が高く、作品によっては非常に高い価格で取引されます。

特に藤原啓や金重陶陽、山本陶秀などの作家ものは高額買取になるケースがあります。

本記事では備前焼の特徴や有名作家に加えて、買取相場、買取業者選びのコツ、高く売るためのポイントなどをご紹介します。

備前焼とは

備前焼は日本六古窯のひとつに数えられる歴史ある焼き物で、岡山県備前市伊部(いんべ)で生産される陶器のことです。

日本六古窯とは、日本で中世から焼き物を作っている代表的な6つの窯(瀬戸焼常滑焼・越前焼・信楽焼丹波焼・備前焼)のことを指します。

備前焼は釉薬を使わずに約1300度で焼成するという製法が特徴で、そのような陶器は焼き締め陶と呼ばれます。

窯の温度や土の状態、窯への詰め方によってひとつひとつの作品に違いが生まれるため、1つとして全く同じ備前焼は存在しません。

素朴な茶褐色の焼き物は「使い込むほどに味が出る」と言われ、派手さはないが飽きのこない美しさがあるとして多くのコレクターを魅了しています。

高額買取されやすい備前焼の作家

備前焼に限らず、様々な焼き物の買取において、有名作家が手掛けた作品は高価買取されやすい傾向があります。

そこでここでは、骨董品買取市場での人気が高い備前焼の作家をご紹介します。

ここに名前を挙げる作家の作品をお持ちの場合には高い価値がつく可能性がありますので、ぜひ一度試しに査定に出してみてください。

藤原啓

藤原啓(ふじわらけい 1899-1983)は、小説家を経て40歳から陶芸を始めたという遅咲きの作家ながら、人間国宝にまで上り詰めた備前焼を代表する作家です。

同じく備前焼の人間国宝である金重陶陽(かねしげとうよう 1896-1967)に師事し、陶陽とともに古備前の復興に尽力したことでも知られています。

そこで得た桃山古備前の技法を基礎にしながらも、窯の中で起こる自然の変容を生かした近代的な造形が、藤原啓作品の特徴だと言われています。

藤原雄

藤原雄(ふじわらゆう 1932-2001)は人間国宝に認定されている備前焼の作家で、同じく備前焼の人間国宝である藤原啓の長男です。

彼の性格を表したかのような、あたたかみを感じる作風で知られています。

「焼き締め陶公募展」を開催して後進の育成に尽力するとともに、ダートマス大学(アメリカ)の客員教授を務め、メトロポリタン美術館や大英博物館に作品が収蔵されるなど、焼き物の普遍的な美しさを世界に広めたという功績でも知られています。

 

金重陶陽

金重陶陽は、弟である金重素山(かねしげそざん 1909-1995)と共に備前焼を再興させた作家で、備前焼で初めて人間国宝に認定されました。

「備前焼中興の祖」とも言われ、文化賞の受賞や紫綬褒章の受章など、数々の功績を残しました。

金重陶陽の作品は備前焼らしい素朴で味わい深い作風が特徴で、香炉や湯呑、水差しなど様々な作品を制作しました。

山本陶秀

山本陶秀(やまもととうしゅう 1906-1994)は、ろくろ技術の第一人者として知られている人間国宝の備前焼作家です。

山本陶秀作品は、備前の持つ独特の自然の風合いを現代的にアレンジするという、大胆な作風でも人気です。

その評価は国内外で非常に高く、1959年にはブリュッセル万国博覧会でグランプリ金賞を受賞しました。

伊勢崎淳

伊勢崎淳(いせざきじゅん 1936-)は、2004年に人間国宝に認定された備前焼作家で、父は同じく備前焼作家で岡山県重要無形文化財保持者の伊勢崎陽山(いせざきようざん 1902-1961)です。

イサムノグチや池田満寿夫などの現代アーティストとも深く交流を持つ伊勢崎淳の作品は、備前焼の伝統に新しい解釈と独創的な世界観を加えた作風で支持を得ています。

また、伊勢崎淳は酒器・茶器だけでなく陶壁も手掛けており、2002年には新総理官邸の陶壁を制作したことでも話題となりました。

中村六郎

中村六郎(なかむらろくろう 1914-2004)は、骨董品買取市場でも根強い人気を誇る備前焼作家です。

朴訥で野性味あふれる作風が特徴で、「中村家の緋色」と呼ばれる、窯変によって現れる深い緋色は多くの愛好家を集めています。

ろくろで作られる徳利などの酒器は中村六郎の代名詞となっており、「酒器の神様」と呼ばれます。

備前焼の買取相場

備前焼の買取相場は、手掛けた作家や作品の種類、状態などから決まります。

中でも、どの作家が手掛けたものかという点が重要です。

特に本記事でご紹介したような、人間国宝に認定されていたり数々の受賞歴がある作家の作品は、人気があり価値が高い傾向にあります。

したがって、骨董買取市場での需要があり、買取価格も高くなりやすいです。

作家物の備前焼をお持ちの場合は、思わぬ高額で売れる可能性もあるので、査定に出してみると良いでしょう。

 

備前焼の価値が決まる5つのポイント

備前焼の買取相場は作品ごとに大きな差があり、実際に高く売れる作品にはいくつかの共通点があります。

備前焼の買取価格に直結する5つの重要なポイントは以下のとおりです。

  1. 作家の知名度
  2. 年代・歴史性
  3. 保存状態
  4. 共箱・付属証明
  5. 市場での人気傾向

それではそれぞれ詳しく解説します。

作家の知名度・評価

備前焼は作家によって価値が大きく異なり、人間国宝や有名作家の作品は高額査定が期待できます。

金重陶陽や伊勢崎淳、中村六郎などの作品は市場評価が高く、状態が良ければ高額買取になることもあります。

制作年代・歴史的価値

制作された年代も備前焼の価値を左右する重要な要素です。

特に江戸時代以前の「古備前」や、作家の初期作品は希少性が高く、現代作品よりも高く評価される傾向があります。

作品の状態(保存状態)

備前焼本体の欠けやヒビ、修復跡の有無は査定額に大きく影響します。

高く売れる備前焼の多くは、使用感が少なく焼成時の景色(胡麻・緋襷など)がはっきり残っている点が特徴です。

共箱・付属品の有無

共箱や栞(しおり)、署名入りの箱書きが揃っている備前焼は、真贋確認がしやすく評価が上がります。

特に作家名が箱書きに明記されている場合、買取相場が大きく上昇するケースも少なくありません。

市場での需要・人気

現在の市場ニーズも備前焼の価値を左右します。

茶道具や花入、徳利など需要の高い器種は売れやすく、買取価格も安定しやすいのが高く売れる備前焼の特徴です。

備前焼を高く売るためのポイント

備前焼は、作家ものなど作品によって価値の高いものも多いので、どうせ売るなら少しでも高く売りたいですよね。

より高く買取してもらうためにできることはあるのでしょうか。

備前焼を少しでも高く売るために「付属品」「状態」に焦点を当てて解説していきます。

少しの工夫でお持ちの備前焼が高く売れるかもしれないので、買取前にチェックしておきましょう。

共箱などの付属品も一緒に査定に出す

備前焼の中でも有名作家物を中心とした高価な作品は、共箱に入った状態で世に出ることが多いです。

共箱とは、作品を納められる木箱で、主に蓋部分に作家名・作品名が作家本人の直筆で書かれています。

作品本体と一緒に共箱を査定に出すことで、これが「本物の証」となり、鑑定書代わりになることもあります。

そのため、共箱がない状態よりも、ある状態の方が査定額が高くなりやすいです。

また鑑定書や説明書などがある場合も、併せて査定に出せば買取価格アップに繋がる可能性があるので、査定前に付属品一式がそろっているか確認しておきましょう。

状態が良いうちに早く売る

備前焼に限らず、骨董品の買取において重要な査定ポイントとなるのが、作品の保存状態です。

焼き物の場合、欠け・ヒビ・割れなどが見られると買取価格は下がってしまうでしょう。

備前焼は土で出来ていますから、大切に保管していたとしても経年劣化を完全に防ぐことはできません。

特に備前焼は釉薬を使わないのが特徴ですから、湿気などの水分の影響を受けやすくなります。

時間が経ったり使ったりするごとに味わいが変わるのは備前焼の魅力の1つですが、買取という観点からは経年による変化は必ずしも良いこととは言えません。

その意味で、備前焼の状態が今より悪くなる前になるべく早く買取に出すというのは、1つの高く売るポイントとして挙げられるでしょう。

 

備前焼の魅力やこだわり

備前焼は、国内だけでなく海外にもファンの多い焼き物です。

なぜこれほどまでに備前焼が人気なのか、材料・焼き方・作品といった観点から、備前焼の魅力やこだわりを見ていきましょう。

備前焼の材料

備前焼の材料には、備前地方の畑などから採掘される干寄(ひよせ)という良質な粘土が用いられます。

干寄は鉄分が多くて粘り気が強く、きめ細かいのが特徴です。

その干寄採掘して1〜2年雨風にさらすことで、不要な成分が腐ったり、除去されたりして土となじんでいきます。

備前焼は釉薬を使わない技法だからこそ陶土の状態がその完成度に大きく影響すると言われ、材料である土には強いこだわりが見られます。

備前焼の焼き方

備前焼は異素材を一緒に焼くことや炎の強弱、割木の灰など、窯の中で起こる自然の作用によって模様が決まるため、焼きあがるまで作り手にも仕上がりの状態がわかりません。

この焼き方だからこそ、全く同じものを作ることはできないということが備前焼の魅力のひとつに繋がっています。

このような偶然性によって作り出された模様を求める愛好家も多いです。

備前焼では、窯の温度をできるだけ高く一定に保つために登り窯を使い、傾斜を利用して炉内の燃焼ガスを対流させるようにすることが多いです。

炎の状態によって焼き上がりに大きな違いが生まれるため、作家は交代で炎を見守り完成を待ちます。

備前焼の作品

備前焼は2週間もの長い時間をかけて高温で焼き上げるので、投げても割れないほどの堅さになります。

その特徴を生かして、大きなカメや壷、すり鉢などの作品が多く作られてきました。

最近では小さな気孔があることから、通気性を必要とする花瓶に用いられたり、極めて小さな凹凸を生かしてビールグラスとしても使用されたりしています。

小さな凹凸がある備前焼にビールを注ぐことで、口当たりがまろやかになり、きめ細かい泡を楽しめると言われています。

最後までご覧いただきまして誠にありがとうございます。


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